最初で最後
2024, Nov 30
余裕がない状態になりつつあるのを感じつつ、美容院の扉を叩いた。最短でカットのみして貰える予約を訊ねると、本日の午后参時と言われ、迷わず予約する。
やわらかで人当たりの良い雰囲気の美容師さんだと想っていると、是までカットして貰った美容師さんと接待が全く違っていた。勧められるのがあたしは好きでない。此方の要望を伝えるとすぐに理解してくれて、説明したうえでカットしてくれる。
ひと通り終えた後、後ろは気に入って・・・、横ももう少し短くしてもらってもいいのかなあ、と伝えると横を切りつつ後ろの方を手で押さえ、たぶんこんなふうな感じをお望みではないかと、と的確な答を出してくる。
髪を洗っても是までのように襟足は浮かず、まるい頭の形が嬉しかった。
有名店に行かないと無理なのだろうかと想っていた。美容院に行くのがすっかり嫌になってしまっていたのに。
嗚呼もう最後なのにと半分残念に想い、半分は最後に出逢えたことを心から嬉しく想った。
一期一会。もう逢うことのない人たちの倖せをときどき想ったりする。