例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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好きか嫌いか


 戻るまで元気でいて、と白いカーネイションに手を振る。ひとつふたつと餌を食べるようになった亀たちにも手を振る。彼には一緒に来てと目くばせをし、玄関で靴を履く。
 気掛かりは少ない。誰に家に入られるわけでもなく、物を持っていかれるわけでもなく、物の配置が変わるわけでもないけれど、家を離れるときは憂鬱に襲われる。それくらい心地いい場所になっている。できれば、ずっとこのままでいたい。それができないことはわかっていても、そう想ってしまい、それならとずっと好きでいることは可能だと笑う。
 卯月、夏の匂いが紛れ込もうとしている季節。櫻が終われば日傘なしでいられなくなる。それほど壱日壱日陽の光が強くなってきている。戻ったら急いで冬服を洗濯しないと、と想う。

 防犯カメラを設置したのに母がぐずぐず言うので、母の家に着くなり喧嘩をする。少しでも気に入らないと不満を口にする者の心理がわからない。直せば済む話だと想うのだけれど。
 満足が不満か、倖せか不幸か、損か得か、でなく、どうもあたしは良くも悪くも好きか嫌いかを基本とし生きているような気がする。

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