例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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今年初めての半袖


 今年初めての半袖、サスペンダーの付いた綿のやわらかなカーゴパンツ、合皮の白い紐靴。右に深紅とうす紅色の芍薬の入った花束、左に今朝掘りたてとシールの貼られた筍を抱え歩く。
 帰ったら窓と採風ドアを開け空気が通るようしよう。それから保温鍋で筍を茹で、スリッパは中底が竹でできているものと替えて(履かないかもしれないが)、珈琲はアイス珈琲にして、アレルギー疾患の薬も飲んで、・・・。

 昨夜眠れなくなったことが何処か遠くへ去っていく。
 辛い夏の始まりもあった筈なのに、此処にはただ曲がったあたしの脚があるだけ。傷痕は消えない。起こったことは無にならない。けれど向こう岸に追いやることはできる。
 蓮の花を見ることはさすがに無理だろうか、と彼と眺めた大きな池を想い浮かべる。昼間なのに向こう岸は雷空が拡がっていてとても暗い。こちらはこんなにも明るいのに。

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