境界
2025, Apr 19
母の冬物をしまい、春夏の衣類をハンガーラックふたつに掛けても収まり切れず、大きな籠もふたつ使った。自分の伍、陸倍あろう衣類。そして衣装ケースに入った下着は廿倍はあろうに、手前の肆、伍枚しか着ない様子。あたしは母のすることがわからない。
壱日掛かってしまい、外へ出した亀たちを戻したのは拾捌時近くになった。キャベツの外側の真っ青なをざく切りにしオリーブ油を使いフライパンで蒸し焼きにする間、青い麦の穂を束ね窓辺に吊るした。おそらく母はあたしのすることがわからない。
そこまできついことを言うか、と云うくらいのことを何度か言ったら難癖をつけるのをやめてくれた母。
境界がしっかり存在する関係があたしは好きだ。わからないことはわからないままでいい。