プリンとハイエナ
2024, May 14
激しい雨が降る。壱昨日から咳が出るようになり、気温が下がると心配になる。せきぜんそくの文字が頭を掠め、明日の歯医者の予約が気が気でならない。
冷えたのだろうかと想いシャツを重ね着し、トトロの綿毛布を膝に掛ける。そうしてカエルの人形を抱きうーんと考えているうち、夜横になっても咳が酷くなっていないことに気付く。
軽いので普段鼻炎があることは忘れている。たぶん鼻炎からきているのだろう。此の間日光アレルギー対処に貰ってきた薬で事足りる筈だと服用すると、咳は拾数分もすると治まった。
彼はあたしが臥していると、薬の時間だと言い必ず水やプリンを持ってきてくれた。それより何よりあたしは何時間でも眠っていたかった。起こさないで欲しいと其の都度御願いしていたことを思い出す。
彼が食事で躯を守っていたなら、あたしは睡眠で、眠ると調子が戻ることが多い。最近玖時間寝ていないせいか昼間どうしても眠くなる。昼寝したあとは少し調子が良くなる。
具合が悪くなっても、もうプリンは眼の前に出てこない。其の代わり此の頃伏せることがなくなった。
目を閉じてハイエナを想う。獣のしなやかさ。あんなふうな眼をしてあんなふうに草原に立って、あんなふうに風を受けたい。