できあがった窓辺に
2025, Mar 05
今日も寒い壱日になり、暖房した部屋で窓掃除を終えた出窓の棚の部分に紙やすりをかけることにする。
汚くなってしまった焦げ茶色のニスを剥がし、剥がし終えたところに胡桃色の薄めた水性ニスを塗っていく。乾いた頃手ざわりを確かめるとざらざらした感触があり、再度紙やすりをかけるとそこそこきれいな棚になった。
修復と言うにはお粗末なものだろうが、父の残した縁台や机とも、彼と使っていた胡桃の卓とも、新しく購入した硝子棚とも、調和がとれていればいい。だいぶ大きくなったガジュマルの鉢植えを乗せると、なかなかの窓辺ができあがった。
少しづつ以前の暮らしに近付いていく。或の家で彼の選んだ胡桃の卓を置いたときの弾んだ気持ちが、自室にした和室の壱角に机と鏡台を置いたときの泣きたくなる気持ちが、鮮やかにあたしに残っている。