雪景色
2025, Mar 06
昨晩はよく眠れたらしい。目覚めて外の様子を窺うと辺りは白く染まっていた。着替えて弐階に上がり窓を開けると屋根に雪が積もってはいたが、雪は小雨に変わり眼の前の駐車場に雪は見当たらなかった。
夜更かしの彼がいればあたしはカメラを抱えひとりで夜更けに家を出て、小さな雪だるまを手にし帰宅しただろう。其れを得意気に彼に見せたあと亀たちにプレゼントしようとして止められるのが、雪の日のお決まりだった。
壱階に戻り寫した雪景色を彼に見せる。雪だるまはない。シャーベット状になってしまったよ、と言い亀たちに朝の挨拶をしようとすると彼らはまだ眠りの中にいた。
静かな朝。エアコンの音と湯が沸く音が部屋に響いている。菜の花のきいろが眼にやさしい。