きらきら
2025, Dec 25
雨が降り続く中、ケーキを買いに行く。
町の中は静かで飾り付けもなく、ケーキ屋の扉を開けるまでクリスマスを疑うほどだった。どれだけ今まで華やかな街に住んでいたかを想う。借家の周りこそ静かだったが、大通りを渡り駅へ向かうとクリスマスの頃はイルミネーションや大きなツリーが飾られ、クリスマスマーケットも現れた。何体ものテディベアが飾られたハウスがあり、其処は出入りが自由でベンチがひとつありベンチに置かれた大きなテディベアを抱くのも寫眞を撮るのも自由だった。其れをあたしは東京の街のようにきらびやかではないけれど、徒歩で行けるしこんなのもいいよねと想っていた。
雨は雪にならず、夕食にケーキだけ食べた。卓の上にツリーを置き彼に苺のショートケーキを自分に桃のショートケーキをとりわける。ワインもチーズもフィル・スペクターの音楽もない。なのに、きらきらしている。
質素だからか余計にツリーに飾ったボウルやあちこちに置いた乾燥花や小物がきらきらして見える。硝子でできた小さな天使と青い鳥に目を向けると、「平和な街も闘っている街もメリーメリークリスマス」と佐野元春の歌が聴こえてきた。