破損
2026, Aug 16
あっと云う間だった。壊れるときはいつも同じ。
座椅子に落ち着き床に眼鏡を置き珈琲を口にし、そこで眼鏡を戻せばよかったのに、卓に置いたタオルに腕を伸ばし顔を拭き腕を上げ、腰は何とか大丈夫と想うとくつろぎ過ぎてしまった。座椅子に座ったままごろごろと躯を動かしたあとで、やっと眼鏡が頭に浮かんだ。
手に取ったとき片側のつるは上を向き、片方のレンズが外れていた。レンズには擦ったような傷もついていた。購入してから弐箇月。最短だった。
眼鏡店で直しては貰えたが、だいぶフレームが痛んでしまったそうで、レンズの傷もあり、交換するよりまるごと購入する方が得だと言われた。暫くこのまま使うことにする。
花瓶に、花瓶の次は自身、其の次は眼鏡が、と想うとへこみそうになる。
けれど、ふと想った。あたしが酷いことにならないよう代わりに助けてくれたのかもしれない、と。
今朝は肆時起きし、彼と父とが眠る場所に線香をあげてきた。
変わっていると言われるほど常識を気にしない父は兎も角、彼も此処にいるのでなく家で自由にしていると感じられて仕方ない。
代わりに助けて・・・などと想うようになったのは、彼らを傍に感じているからだろうか。