雨と白百合
2026, Jun 27
川沿いに幾つも咲いていた白百合。滅多に往来はないとわかっていても車が来ないか気にしてしまうのは、雨が降っているから。
寫眞さえ撮れないと想うとみつめることしかできないのに、雨はあとからあとから落ちてくる。雨合羽を着ているとは言え自転車が気になるし、眼鏡が濡れるのだけはどうしようもない。
瞼の裏に残像が残るまで。そう願っても雨に消されていく。
「白百合」の題であたしが絵を描けば、白百合を何処にも描かず雨の景色を描くことになるだろう。そんなふうにして長いこと記してきた詩。画。あたしがそのようにしかできないことを彼は気付いていたと想う。
彼を記してなくともあたしの記すものには彼が存在している。