竹製
2026, Jun 25
ざるを手に、洗った茶碗を壱時入れておく籠に、まな板に、ヘラに、串に、箸(子供用らしい)に、乾麺を入れてある持ち手のついた籠、と見廻せば台所には随分竹製のものがあるなと想ったところで初めて気付いた。
いったい母は何処で貰ってくるのか、陸拾余りある袋入りの箸は竹製だった。持ち方を直すのに丁度いいと毎日此の箸を使っているが、手に合うのかひとりなので幾らでも時間を掛け食事できるからなのか、使うようになってから少しつつ直ってきている。
竹に想うのは、生まれた家の庭の壱角にあった竹林。
誰かにとっては邪魔な不要なもので、あたしにとっては記憶の中の宝物。そして父が其処にいる。土からちょっと顔を出した筍をとろうとするあたしを笑いながら止める父。今でも世界は知らないことだらけ。
親指がこうだから、とわかったことを報告したけれど、父は関心なさそうだった。