心配ないからね。
2026, Mar 10
抗生物質を入れても母の熱は上がったり下がったりしているそうだが、呼吸や血圧などは問題なく、疲れた様子ながら声を掛けると薄目を開け反応する。インフルエンザや甲状腺ホルモンなどに因るものではないことは判ったそうだが、原因はまだわからないそうで、看護師さんは体力の低下を心配していた。
ふうぅっと長い息を吐いてしまう。
こんなときだから余計に頼んでいたものが届き気持ちが和む。
届いたのは、冬が去ったら履く予定のスニーカーだった。今履いているものと同じ銘柄だが、合皮のしっかりしたものと違いメッシュで重さがない。色も同じ黒だが底がベージュで見た目にも軽く感じる。
紐がついているが結ぶ必要のないもので、履き口もゴム使用になっている。スリッポンと言った方がいいのかもしれない。
そして、靴の意匠も好みだが、箱がまた自分にとり高揚する意匠だった。
心配ないからね。
今度も母にそう声を掛けられるよう、箱を飾り部屋の中で靴を履き歩き廻った。