花籠
2025, Nov 08
菊が花開いた。白やうすむらさき色した野菊と同じように、赤紫色した小菊も可憐で、見ていると落ち着く。
持ち手の付いた小さな花籠が欲しくなる。
和室に置いた桐箪笥と引き出しが数段ある小物入れに畳の縁でこしらえた母の手提げ袋。其処に母の裁縫箱と花籠を置き、いずれ寝室にしようかと考える。
此の町に友人はいない。縁側でお茶をお出しし話をする母の友人であり近所の人はいても、家の中まで招き入れるつきあいの人は自分にはいない。
全て自分に与えるものであり、夫に語りかけるものでもあればいい。
家の周りががたがたと音を立て始めた。強い風に肩をすくめる。
季節は晩秋に、と言うと紅葉を見に散歩に行こうと彼が応える。芒をとってきて飾っても素敵だろうな。・・・すっかり花籠が欲しくなってしまっているような。。買うの?と彼のひと言。いつも助長することしか言わない彼に今日も笑っておしまいにした。