例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

忍者ブログ

頁を戻る頁を捲る

積雪


 遅く起きた朝。屋根に雪が積もっていた。昨日夜になり降ってきた雪は、雨にならなかったらしい。何度も教えたのに、と彼の声が聞こえる。
 あれからもそう変わりない日常。

 編み終えた前身頃と後ろ身頃。合わせながら、このまま仕上げようかセーターにしようかと考える。
 正月だと言うのに、普段となんら変わりない生活。

 陽が昇り、勢いよく流れ始めた水の音。溶けていく雪。屋根の上は白椿を散らしたような状態に変わっていく。
 あたしが絶えても続いていく世界が、違和感のない真っ直ぐなものでありますよう。其れが特別なことでなく普通のこととして存在しますよう。

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

風花


 昨日気付くとROSSOの「1000のタンバリン」を歌詞を変えてうたっていた。

 曇り空。晴れるか晴れないか、あやふやで鉢植えを玄関の中に入れて散歩に出る。ケーキ屋は開いてなくて、コンビニエンスストアで苺のショートケーキと国産栗使用のモンブランケーキを買った。
 帰り道、うたうのは「1000のタンバリン」。眼の前にちらついた白いものが何だかわからず、最初埃かと想った。降っているか降っていないかわからないような雪だった。

 誕生日おめでとう。歳をとらない人の歳を数えて、モンブランケーキで祝う。

 折れてしまった昨日、生きている。折れてしまったと既にわかっている今日、それでも笑っていたい。だって見上げれば1000のタンバリンを打ち鳴らしたような空が。

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

1000のタンバリンが


 正方形の小皿、小さく切った煮物に伊達巻、スナップエンドウに焼き海老に黒豆を添えて。真っ白なカシミヤのセーターにニョロニョロの柄の靴下。他に何もない。
 折れてしまった昨日、生きている。折れてしまったと既にわかっている今日、それでも笑っていたい。だって見上げればあたしにも1000のタンバリンを打ち鳴らしたような星空が。

 あけましておめでとう。そう言って彼の前に小皿を置いた。

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

大晦


 昨日高熱を出した母は今日はもう落ち着いていて、一緒に面会に行ってくれたいとこの顔を見ると笑い、帰り際またねと声も発していた。
 帰宅し明日からの為にフライパンで簡単な煮物と伊達巻をこしらえる。

 母が入院したことは良いことでもないが決して悪いことでもない。必然だったかと想う。
 叔母と叔父の勝手な面会のみが今年の悪かったことで、他に何もない。賃貸借契約をしていた相手のことは頭から消えてしまった。或の土地を彼が手にしても倖せにはなれないだろう。其れがわかったこともあるかもしれない。後始末に来年の確定申告が残っていて面倒に感じてはいるけれど。

 ハーゲンダッツのアイスクリームを食べつつ、そろそろ時間だろうかとテレビの前に座る。矢沢永吉さんの歌声にはしゃいだ後で今年を終わらせる。
 足さない。此の瞬間と想ったら潔く終わりにする。
 例え失敗しても、例え時間が殆ど残っていなくとも、失敗のままで終わらせないくらいには学んできたつもり。

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

南天と蝋梅


 地元の物が売られている店を覗くと、バケツに入った花がみつかった。ねこやなぎもあったが、南天の実や蝋梅の花の束がありひとつづつ買ってみた。
 両手で抱えなければならないほどの大きな束を持ち帰り、縁側で花瓶に活ける大きさに剪定鋏を入れると、丁度花瓶ふたつに活けるに丁度いいとわかった。

 実感はないものの粛々とした気持ちで年越しをしようかとは想っている。
 ともだちの家にお邪魔する都度笑われる正座を今日もしつつ、腰が余りよくないので正座か胡坐でないと駄目なだけなのだけれどと想っては笑う。此れも自分の暮らしに合っている。
 華やかな花束もたくさん並んでいたけれど、自分の家には南天の実と蝋梅の花が似合っているとつくづく想った。

拍手

      郵便箱