パンプキンパイを焼く頃
2024, Oct 14
玄関を出て郵便受けを覗いたとき、鼻先に感じたのは新聞紙の匂いでなくきんもくせいの香りだった。
今日は新しいミルで珈琲豆を挽く。使いなれていないので、それはそれは細挽きの珈琲になった。
いつもと違う朝になったことを笑いながら、珈琲を飲み終えると昨日買ってきた南瓜を切り鍋に入れる。
南瓜は茹でてバターと牛乳を混ぜ、パンプキンパイにした。市販のパイ生地に包みトースターで焼いたお手軽なパイも、焼きたてはおいしい。(尤も猫舌なのでパイは昼食になったが。)
万聖節が近いから花屋でも南瓜が目立つようになったのか、とひとり納得する。
彼には薔薇の実を買ってきた。薔薇の実も林檎やダリアと同じように秋の陽射しを吸い込んだような赤い色をしている。
昼食に参分の壱を残したパイを、陽射しが弱くなった窓辺でふたつに切り分けおやつに彼に差し出すと、文句も言わずに珈琲と一緒に食している。
今年もきんもくせいの季節になったと教えると、きんもくせいの香りが苦手なあたしと違い、此の香りを好んだ彼は満足そうに笑った。