例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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重み


 防犯カメラの書類を提出した。此れでどうなるわけでもないと想う。例え然るべき対応がされたとして或の厚顔な者たちは変わらないだろう。期待もしなければ、希望も持たない。安易な気持ちは必要ない。重さを理解する気がない者たちの、親戚だから、と、親戚なのに、と、何が起こっても普段の言い訳そのままの姿が浮かぶ。
 母はまだ言い足りないらしい。あたしは絶望を覚え何も言うことがない。インスタント珈琲の瓶でさえ持っていくときは持って行ってしまうので、リュックサックから取り出してドリップ式の珈琲を淹れる。持ち歩かなければならなく帰省の荷物が重くて仕様がない。けれど珈琲がおいしく飲めて、あたしはほどほどに機嫌がいい。
 夕食にと煮た南瓜を父に供え手を合わせる。盗み取ったもので人は倖せになれるのだろうか。金銭、物質、暮らし、・・・、と並べてみても倖せは出てこない。貸した金銭が戻ってこなくても、御飯に醤油を掛けただけの昼食で過ごしても、父は不幸になっただろうか。或の者たちは暮らしはそこまでに見えず、寧ろ贅沢振りが垣間見える。
 得って何と自身に問えば決して重いものでないものが、頭を過ぎる。あたしは要らない、と呟くと人も同時に消えた。

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