茂る
2025, Jun 21
気温が丗度を超えてくると臭いが気になり始める。フィルターごと乾かした珈琲の出涸らしをマスキングテープで口を閉じ、流しに塵箱に玄関にとあちこち置いて消臭する。
幸運なことに改装後此の家でゴキブリを眼にしていない。越してくる前はゴキブリにスズメバチに・・・、壱番困ったのが浴室に現れるムカデだった。排水管に巣喰っていたのだろうが、そうと判るまで泣きながら格闘していた。なんせそれまでムカデを見たことはなかったのだから。
久し振りに飲んだ低温殺菌牛乳はやはり好みの味で気持ちが弾む。
臭いに虫にアレルギーに体温に頭痛に痒みに発疹に・・・、と何かと気になる夏がやってくる。そのくせ好きな季節を問われたら、真冬と真夏と答えてしまうのだ。
今朝はオシロイバナ(たぶん)が花をひとつ咲かせていた。それとドクダミ。抜いても抜いてもドクダミは生えてくる。嗚呼、或の独特のにほい。
夏を想うと頭に蔦が絡まりどんどん葉が茂り、あたしの胸から上は樹海になってしまう。濃厚な草の匂い。手にした珈琲の出涸らしで追いつく筈もなく、あとは川や海に逃げるしかない。
そう云うわけで夏は裸足に限る。既に部屋も玄関も無くなりつつある。