生活感
2025, Feb 02
迷っていても仕様がないので、戸棚を注文をした。中に彼の荷を入れ、上に法名軸や仏具を乗せようと想う。レコードプレーヤーも置けたらいいのだけれど、機材を購入する必要があり、其れは後々考えよう。
樹木は樺。引き戸の下に引き出しもついている。生活感の無い隠す収納がおしゃれ云々と時々雑誌の表紙で眼にするが、あたしは生活を感じさせるものや見える収納を好む。寫眞で見た裸足で水汲みをするアフリカの男の子や果物の籠を持ち上げようとしているエプロンドレスを着た伊太利亜の女性は素敵だった。
何処の國のどの村だったろう。樹木を組み上げた家に、中は藁を敷いたり藁を編み綱にし拵えたゆりかごのベッドが置かれていた。土間にまるく石を置き其の中で火を焚き料理をする。電気は通ってないらしく夜は暗い。
朝の光はまぶしく夜の静寂(しじま)は美しく、人々の表情は深く、生活が間近にあればあるほど(そして其れを苦と想っていないほど)其れにふれたこちらは高貴さを感じてしまう。鶏の締め方も知らない自分とはなんて云う違いだろう。
鏡に寫る自分は時々疲れた顔をしている。が、其れは決して生活感から来るものでなく対人関係にあるのだと想っている。