例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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消しゴムでこしらえた判子


 デイサービスで努力証を貰った母に、判子をこしらえた。消しゴムにカッターで花と名を彫り廿分でこしらえた簡素なものだが、塗り絵に押すには充分なものだと想う。
 母は喜んだが、作品に押すものだとは理解していないようだった。名を記すと云う感覚の無い人は皆そうなのだろうか。

 彼の為にこしらえた亀を彫った消しゴムの判子は今も残っている。
 楽譜に押すことがいつのまにかあたしの役目になっていた。此処に押したの?って何度が言われたけれど、楽譜の読めない自分に最適な場所が判るわけもなく、空いている箇所をみつけると押していた。
 沢山の楽譜も殆どを処分するしかなく、今は其の記憶が印になった。かつては自分用にこしらえたこともあったけれど、此の先自身の為にこしらえることはないだろう。

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