例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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洗い流す


 冬物を洗濯機で洗う。
 ネットに入れ中性洗剤を使い、干すときに注意すれば大抵のものはクリーニングに出さずともまた次の冬に着られる。どうしてもと想ったものはクリーニングに出し、手編みのものは手洗いすればいい。

 春だと云うのに此の間から秋物のカーディガンの編み直しを始めた。壱度盗まれ、其の後戻ってきたはいいがあちこち穴が開いている。
 布団の黄ばみをさることながら、いったいどうやって置いていたのだろうと首を傾げてしまう。洗ったり干したり樟脳を入れたりすればこんなことにならないのに、盗んだ物だからそう云うことはしなかっただけなのだろうか。
 全部使いかけにし駄目になった醤油も、黄ばみや染みの凄まじい布団も、さわられた形跡のある衣類も処分したが、此の秋物のカーディガンはお気に入りだったのと壱度も袖を通していないので、ほどいて壱から編み直している。
 時間は掛かるだろうが、嫌なことを洗い流し終える日を愉しみにしている。

 壊すことは一瞬。直すことは一生さえ使う。そんなことを想い、記したのは何年前だったろう。
 大切にすることに終わりなんてないのだ。

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