例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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檸檬ティー


 今朝は檸檬ティー。今まで檸檬ティーがおいしいと想ったことはなかった。専門店の檸檬ティーだからなのか、ブレンドの具合が自分の口に合ったからなのか、此れはおいしいと想い試供品の袋を眺める。
 聞こえてくる鳥のさえずり。気持ちのいい朝なのに、少し調子が悪い。いとこから掛かってきた電話にもぼうっとして受け答えするが、普段からおっとりしているせいか余程でないと誰にも気付かれることはない。
 台所から和室に戻ると、何故かエアコンがひとりでに除湿を始めていた。漏電しているのでもなさそうだし、タイマーも使用していない。今は要らない、と彼に言う傍から眠りに落ちた。

 目覚めると「シーナ」の声が頭の中で流れていた。冷蔵庫で冷やした檸檬ティーを彼とふたりで飲み、其の後フライヤーと新聞切り抜きの整理をする。途中にしてあったのは把握していたものの、ファイル参冊分になっているとは知らず半日掛かってしまった。
 以前のはそれほど残ってなく、同じ参冊分だったかと想う。資料にしては極端に少ない。それなのに減らさなきゃならないなんて、おかしいと言えばおかしい。引き出しの何処に何を入れたかはわかるけれど、自分の頭に内容は殆ど入っていない。其れが悲しい。

 あたしは自分を作ってきたと言えるのだろうか。
 頭に浮かぶのは地平線に立つ自分。雪が降っていて辺りは真っ白になっている。家に帰ったら檸檬ティーを飲もうか、猫が待っているだろうな、などと想いつつ道無き道を歩いている。

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