今日
2025, Jun 29
何年も前に購入した木綿のワンピースを、寝間着にしてもいいからと箪笥の奥にしまっておいた。その間にできた小さな染みにも気付かずに。
洗濯するとあっさり染みはとれ、乾いたワンピースに袖を通す。肘が出る袖丈や襟の空き具合、腰の切り替え、スカート丈に拡がり、と基本の形と云えるような作りなことや、白なのに下着が透けない生地の厚さにも驚く。
何故、古くなってしまったと想ったのだろう。何故、着なくなってしまったのだろう。考えてもわからない。
引き出しから珊瑚のイヤリングを出してつけ、台所に立つ。
千切りでなく、皮引きで人参を細くする。其れを塩もみしたあと酢で漬けた。確か仏蘭西の何とかと云う料理、の真似。
保存容器に詰めた人参を冷蔵庫に入れようとすると、電話が鳴った。
「こぉんんにぃちぃわあ」、と子供か高齢者を相手にわざと作ったような話し方に嫌悪感しかなく、「へぇいっ、まにあってっだよー!」と言いガチャっと受話器を置いてしまっていた。そんな自身に驚愕しつつも、反省するどころか、こんなこともできるようになって、と感心していることに笑う。
ワンピースを着て鍬を持ち、チャーリーパーカーでも聴きながら畑仕事をするなどと云うのも素敵かな・・・。
隣ではいつものように彼があたしの話を聞いているのか聞いていないのか、冷蔵庫にしまったばかりの保存容器の中身を小皿に移していた。