ひとつと無数
2024, Jul 10
昨日壱日氷を当てていたのがよかったのだろうか。朦朧としていた意識がはっきりしてきた感じがする。体温調節がうまくできなくなり、毎年のこととは言え、体温が上がった直後は躯がきつい。
頭をさすると天辺から前頭にかけ痛い。然も硬くなっている。驚いて試しに揉んでみると、しだいに傷みがとれてきて安堵する
午前中残そうと想うレコードを段ボール箱に詰めていくと、水のペットボトルの肆箱になった。処分しようと想ったのは其の倍ある。棚に並べるとたいして枚数がないと想うのに、他のものでも何故箱が想う以上の倍できるのだろうと想う。
「もう此れ以上は無理。」、と声に出すとすっきりした。そうして笑っていたのに、ボックス・セットの存在を忘れていて愕然とする。自分のものはローリング・ストーンズでもストリート・スライダーズでも箱がレコードのサイズなだけで中身はCDとわかっているけれど、彼のものは全て把握していない。「大瀧詠一だけ残せばいいよ。」、と声に出し頬に手を当てる。
残すものを探っていく作業。だいじなものが何かを改めて知り自分に刻んでいく過程を、あたしは毎日見ているのだろうか。
「究極のものをあなたは求めているんじゃない?」、と少し嫌味雑じりで言われた言葉に今ならこう返すだろう。たったひとつのものでもつきあっていくほど、観察していくほど、知らなかったことを知り世界が拡がり、自分が少し豊かになっていくような気がして面白いの、と。