例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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アマリリスの植え替え


 壱度も植え替えされることなく育った植物たちは、限界に来ていたらしい。鉢植えの中でアマリリスは拡げた根を絡ませほどけない状態になっていた。このままでもだめになるならと、根が傷むのをあきらめ力づくで株をよっつに分け植え替えた。
 よっつとも育っていくのかそうでないのか・・・。今はここまで育ってきたことを称賛しよう。
 太く長い根と其れが絡まった姿はアマリリスの美しい生命力。土の下に戻った其の根をいつまでもあたしは憶えているだろう。

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ひと晩で


 今日から春です、と言わんばかりに、ハナニラはぽんぽん咲き、亀は水を汚し今年初めて餌を強請った。咽が異様に乾き檸檬水をごくごく飲んだり、朝もエアコンを使わなかったり、久し振りに外に布団を干したり。白のカットソーを探したり、ストールを拡げたり。
 ひと晩で変わった季節。ハンガーラックにはジーンジャケットを掛けた。
 毎年亀に教えられる春。水の温度が変わっていたことに気付き、風呂の設定温度を下げた。

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墓参り


 持っていく花は、周りが鮮やかなオレンヂ色をしたきいろのカーネイションにした。石に刻まれた名を見ても、線香を供えても、やはり父や夫が眠っているとは想えず、そそくさと寺を後にする。
 なんとかしていくのが生きている者だけれど、いったいいつまで此の長い距離を走れるだろう。傍らにはホトケノザ、なずな、レンギョウ、こぶし、・・・。其の都度自転車の速度を落とす。タクシーを使っても此の景色を見ることはできるのだろうか。どうせなら見たもの全て届けたい。
 ただいま。そう言って冷蔵庫からとっておきの木苺と苺の入ったアイスクリイムをとり仏壇の前に立つ。どうせなら見てきたもの全て渡したい。

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夜中に


 夜中に海を見に行きたくなる。ただそれだけ。

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「卒業写真」


 雨が降りて来そうで来ない曇り空が頭を重くしている。母の部屋の炬燵で何度も横になり、其の他都度眠ろうとしたが眠れない。憂鬱に支配されそうになるのが悲しく靴に足を入れる。
 土手は菜の花が満開。橋を渡った先の土手の方が開花が少し遅く、土手下にも菜の花畑があることに気付かなかった。川まで続く道があり、道は板のようなタイルのようなものが敷かれていた。道より周りの土が高く、菜の花に埋もれていく自分が「アリス」のように想えた。奥にそびえる大きな柳の樹にチェシャ猫を探してしまう。
 誰もいない菜の花畑。柳の傍まで来ると不思議な気持ちになった。口から零れるのは荒井由実の「卒業写真」。あの頃の生き方をあなたは忘れないで、あなたは私の青春そのもの。あの頃のままで生きた人を想いながら、遠くでときどきしかって、と続ける。
 菜の花畑の中には終わりのない時が流れている。
 (今日の日記は途中でおしまい。)

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