ぬくさと淋しさと
2024, Sep 22
夏の間はゼリーを彼に供えていた。これからは菓子も供えられると想っていると、林檎の値が下がっていた。
赤い林檎をひとつ買う。林檎にはぬくさと淋しさがある。山村暮鳥の詩を思い出す。ほらと言い彼に供えて笑う。林檎は今でもあたしのあだ名だ。
引っ越す以前の部屋で使っていた遮光カーテンを今でも持っている。白に蔦の模様が白い絲で刺繍された此のカーテンも、林檎に感じるものと似たものがある。
壱枚は出窓用に作り替え陽射しの強い日に使っているが、半分生地が残っている。其れを遮光の生地を外し、新たにカーテンに縫い直した。改装を終えた母の家の窓に掛ける予定でいる。
あとはぬくさと淋しさとを携えたものが自ら発光するのを待つだけだ。