赤い実を食べた
2024, Sep 28
ベストにしていた蘇芳色を薄くしたような色の毛絲をほどく。模様編みで編んだベストはぶ厚く温かいと想ったが、着辛かった。セーターにするには絲が足りるだろうか。
黒以外の服を着る気がなくなってしまったけれど、冬は上にコートを着るしと想いほどいていく。
夕刻パンを買いに外へ出ると、公園の彼岸花が咲いていた。
赤い服(Tシャツ)を好んで着ていた頃を思い出す。憂鬱が消えるので、赤い色が周りに欠かせなかった。冬には火棘の実をつけたいっぱいにつけた樹木を見ているのが好きだった。あのまま或の赤い色に焼かれてしまってもよかったのだけれどね、とつぶやいて笑う。
家に帰ると冷蔵庫から保存容器を取り出し、中に入った小さな細長いトマトを頬張って少し泣いた。