摺り合わせ
2024, Oct 07
家で作ってきた鶏肉と大根の煮物をおいしいと言い、母が残さず食べてくれる。大根の厚さを必ず褒める母に笑う。其の都度あたしは保温調理鍋を彼に買ってもらった話をする。
母に不満はあるが一緒に暮らせないこともないかと想う。たぶん其れはお互い様だろう。部屋を完全に分けられるようにしたこともあり、それほど心配していない。これから出てくるだろう介護の問題も自分が背負うなどと考えてなく、利用できることは全部利用しようと想っている。
最初から他人に期待しない性格は悪くもあれば良いとも想う。信用は期待に繋がらないこともないけれど、期待は信用に繋がらない。
期待に決して、普通は、などと云うものは適用されない。故に何があっても相手に裏切られたと云う感情は湧かず、そう云う人間だと云うことでいい。
クズか、そうでないか、時々自身をみつめる為立ち止まる。黒い感情が湧いても、クズになりたくない部分に対しては必死になる。
おやつに弐個目のアイスクリイムを手にとり、えへへと笑う。母も釣られて笑う。
施設に入れる気は全くありません、と言うと、何処で聞いてきたのかよくない話をする彼女に、胸を撫で下ろす。摺り合わせは順調に行っている。