終わらない時間
2024, Oct 29
バスの窓に覗く土手から川に拡がる芒とせいたかあわだち草の群生に、ほらと彼に声を掛ける。
いつのまにか彼は川沿いに立っていて、あたしも後を追うように川沿いを歩いている。
いつかのあたしたちが何度でも其処に立つ。
自転車で辿り着いた遠くの川も、菜の花でいっぱいだった土手も、湖へと繋がっていた或の川も、今となっては皆ひとつの場所となり端の無い絵としてあたしの前に現れる。
生に対して希薄だと云うようなことを幾度か言われたけれど、希薄なのは感情なのだと想う。感情に沿うとか感情に酔うとか感情で訴えるとか、見ていて一気に冷めてしまう。
(あたしは誘われてばかりだったけれど、)ふたりで随分と生きることをしたのだなと想う。
オナモミを沢山つけて草の中を歩くあたし。枯れたセンダングサが美しいと立ち止まり寫眞に撮るあたしを黙って彼が待っている。
もうすぐ夕闇がやってくるから帰らなきゃいけないのに、猫だの鳥だのをみつけては彼は喜んでいるし・・・。
あれからも終わらない時間が続いている。