窓の内側
2026, May 19
笑い声が張り付いて落ちない。
硝子に描かれた無機質な残像。
窓の向こうはただ光がまぶしいだけ。
光は部屋に入り込む。
窓を開け、腕を伸ばし光にふれる。
ふたつを分けるものは同時にふたつを繋ぐもの。
窓の内側で生きている。
窓の内側であなたと過ごしている。
いつか消えてしまうと知っている。
知っていても積み上げ紡ぐ、その窓の内側で。
遠くまで行くことはなくなった。
世界を教えてくれる人はもういない。
窓の向こうは止まったまま弐度と動かない。
窓の内側でも花は枯れる。
窓の内側でも時はとどまらない。
愛を残すのはあたしだけ。
消えるまで止まない記憶。その窓の内側。