花盗人
2026, Feb 06
土手の道を走り、遠くに見える橋のところまで行ってみる。橋の上り口は見えない。長い長い橋だと見上げた後来た道を戻る。
自転車籠には少しばかりの菜の花。菜の花の花影には彼の姿、彼の声。花びらを散らさないように走る。けれど、ゆっくりでなく全速力で。
水仙を活けた花瓶に菜の花を足す。随分ときいろの束になってしまった。きいろが苦手なあたしの横で、素敵と言う彼の声。
入りきらなかった菜の花は小振りの花瓶に活け、父の傍に。これから暖かくなっていくから、と言う父に、明日から雪の予報が出ているよと花盗人はつぶやいた。