真似ること
2025, Dec 15
冷たい雨の降る中、のし餅が届く。思いがけない好意に手を合わせると共に、そんな季節になったことを改めて想う。
硬さを確かめ包丁を入れる。包丁は水で濡らした方が切りやすいことを初めて知る。
端の途中までになった肆角にならない餅は細く切りあられ用にし、大きな紙の上に拡げる。あとで弐階に持っていき干せばいいだろうか。此れは母がしていたこと。肆角に切った餅は適当な枚数づつラップで包み更にビニイル袋で包み輪ゴムで止め冷凍庫に入れる。此れは夫の母がしていたこと。これからもあたしは其れを真似ていくだろう。
相手の存在や縁の有無などたいしたことでもなく、真似た指先が消えない想いを自分に伝えている。
試しに焼いた餅はやわらかく、遠い記憶が蘇った。臼と杵と父の大きさ、其の横でできあがった餅に餡を詰めていた母。小皿をふたつ用意し箸で小さく切った餅をのせ父と夫に持っていく。反応する彼らの声が聞こえてくる。