例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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Strawberry Fields Forever


 道路際に置いた鉢植えに名前もわからない植物が芽吹き、取り敢えず・・・と毎日水やりをしていたら壱日毎茎が伸び、とうとう手折らないわけにはいかなくなった。
 細い茎には桃色の花がついているが、余りに小さく目立たない。ところが束ねてみると、かすみ草のように見えないこともないとわかり、千日紅を活けた花瓶に挿してみたところ、より可愛らしい空間ができあがった。

 ぼくと云う樹木は高すぎるのか低すぎるのか・・・。ビートルズの或の曲は、そんな歌詞だったろうか。
 決めつけないで。自由な発想で。想像するって云うのはなかなか難しい。どうしても最初にとらわれてしまったりするので、延々考えることになる。ただでさえ何をするにも人の何倍も時間が掛かるのに。

 拾肆歳の苛立ちは決して零になることなく、ときどき思い出してはストロベリィーフィールズを想像する。
 「この本を燃やしなさい。読み終えたら。」とヨーコの本の最後にはあったけれど、本当には読み終えていないと想うので、ぼく(あたし)は未だに燃やしていない。

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ねこまんま


 リゾットと言ってしまえば聞こえはいいが、中身はねこまんまそのもの。
 オリーブ油で鮭を揚げるように焼き、茄子を入れ、人参のラぺを入れ、ご飯を入れ、チーズを入れ、パセリを散らし、彩りがちょっとと言い紫蘇を刻んで乗せる。
 茄子を入れたのは初めて。茄子を入れたのでトマトも入れようかと想ったのだけれど、なくてもおいしく、とろけるような食感もよかった。
 結局ねこまんまなら自分は何でもいいのだなあと想う。

 以前から考えていたことをやっと実行する気になり、裁縫箱と布を用意する。
 何とかポケットのないワンピースにポケットをつけることができた。
 ショッピングモールも気軽に電車を利用することない暮らしに、衣類を気にする必要はなくなった。そのうちまたライブにでも出掛けようと想ってはいるので、普段着のちょっといい服が弐、参枚あれば嬉しいと想うけれど、そのときはそのときで購入してもいいかなとも想っている。
 衣類もねこまんま同様。場所も時間も手順も気にしなくなっている。

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今日も暑い


 「九条削除、男系皇統、子供一人につき月10万円、・・・。」
 扇風機の風に煽られ、選挙公報の紙が歪んでいく。
 あたしはと言えば相変わらず整合性に道理、損得に搾取を好む人間について考えている。

 暑い日でも家の中より外の空気の方が気持ちよく、亀たちの様子を見るためでもあるけれどときどき玄関先に立つ。
 上から下まで細かくペンキが飛び散った柱にやっと手を付ける気になり、へらで削っていく。壱遍には無理で、高い箇所は残ってしまった。それから樹木を組んだ棚を雑巾掛けした。
 放置されたとも廃棄されたとも言える物を片付け、種類ごと塵袋に入れ、月に壱度の燃えないゴミの日にふた袋づつ出していたら、棚も棚の周りもすっきりしてきた。
 地味で根気のいる作業。けれど、できるところまで自分でしたい。其の後は任せる相手を間違えないように。

 今日も暑い。
 冷凍庫に入れたシャーベット状にしたヨーグルトとシャーベット状にしたトマトをそれぞれ皿に盛り、がしがしと食べた。

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今日の書き殴り


 空をおおってしまうかと想うほどではないものの、此の町でも百日紅がみつかり足を止める。
 百日紅の花も、櫻貝を拾った海も、薔薇の公園も、記憶が上書きされることなく、例えば百日紅と言ったら或の通りと或の道に咲いていた百日紅が瞼の裏に笑う。
 瞼の裏に浮かんだのは過ぎ去った時間ではあるものの、瞼の裏をみつめているのは今で、決して過去を懐かしむとか振り返っているのでなく、今の瞬間を感じていればこその胸の痛みが此処にある。

 トイレットペーパーを黒い文字だけが記されている白い大きな紙袋に入れてみると、トイレがすっきりした。
 トイレから続く洗面台も浴室も白。夏はあちこち扉を開け放しているので、余計白が眼につく。
 胸に走る痛みを撫でるには白がいい。どうしてだかわからないけれど、白いものの傍で長い息を吐き出すと苦しさが抑えられる。

 小学校にあがるまでともだちは猫に人形、白い紙にクレヨンに絵本、庭のスミレにえのころ草、父が納屋に置いていた古い道具。
 つきあえるまで難しかった。乱暴にすると嫌がられた。なかよくなれば、どう表現していいかわからないほどやさしかった。

 百日紅も白い色も自分に無理をさせない。泣いたり笑ったりしていられる。子供の頃の感覚が戻ってくる。それは彼とも等しく、あたしを倖せにする。

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梅雨明け


 茄子の塩もみ、冷や奴、胡瓜の酢漬け、人参のラぺ、細かく切って冷凍したトマト。其れを炊きあがったばかりの五穀米ご飯に添えた夕食。肉も魚もないけれど、昼は昨日の残りの蒸し鶏を食べた。
 台所で持ってきた扇風機が廻る。以前は和室で使っていた。頭痛を起こさない風の強さ。

 箱にしまったままだった扇風機も今日出して自室に置いた。
 此れも風が強過ぎることはない。最初あたしが此れが欲しいと言うと、値段の問題で却下されたが、間もなく、其れも突然台所に置かれていた。
 納得いくくらいに値が下がったんだよ、はい、〇〇ちゃんに。彼はそう言ったけれど、専ら使っていたのは彼だった。
 参年振りに出した扇風機はリモコンの電池が切れていた。

 梔子はみつからないまま梅雨が明けた。
 今年も暑いって、と言うと、それだけで泣けてきた。

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