素描
2025, Aug 02
家のどの窓からも雨が降るのが見え、雨音に耳を立てていると雨に閉じ込められてしまったようで、こんなときは意識して自分を解放してみたくなる。けれど、そう云う気持ちになるだけで、実際は何も変わらない。
湿気が多く蒸している日は気持ちが悪くなる。軽い頭痛が壱日に何遍もあたしを床に近付ける。
気分を変えるた為早い時間に風呂に入る。風呂からあがると、冷凍庫を漁り髪も乾かさず座椅子にもたれた。冷たければ何でもおいしい。グラスいっぱいに入れた氷に苦戦し飲むレモネードの向こう、漆月のままの暦がじっとあたしを見ていた。
此処に来たのは冬だった。
あれから毎日のように家の掃除や整理をしているのに、なかなか片付かない。敷物は切って小さくすれば燃えるゴミに出せると想い、鋏で切っていたらものの数分で指に豆ができた。然も気付かずにいたら皮が捲れてしまっていた。箒を持ってもすぐに豆をつくる。
「ソーダ水の中を貨物船が通る。」荒井由実の歌の歌詞が此処に存在し、其の通りに時間が過ぎていく。
水浅葱か薄柳の色を使い絵を書こうか、なんて頭の内で素描を繰り返す。新しい画用紙をしまった場所も憶えていないのに。