暖簾
2026, Jun 16
客間から台所と自室へ向かう扉を開放し暖簾を下げる。客人など滅多に来ないものの、廊下がない間取りの家に区切りをつけるには暖簾が最適かと想う。何処でも自分の好きにできる家でだらしなくでなく心地よく過ごすには、区切りは必要だった。
暖簾と言ってもガーゼのバスタオルを弐枚(商売をしているわけではないので縁起は無視)使ったものだが、金魚の柄が夏向きで丁度いい。
暖簾をくぐると、其処は自分だけの空間となる。好きなことをして笑うにも、時々やってくる虚無感と過ごすにもいい場所になりつつある。疲れ切ったあたしを花瓶に活けた花がなぐさめる。奥には彼の法名軸が掛かっている。暖簾をくぐれば其処はあたしの帰る場所。