例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

忍者ブログ

頁を戻る頁を捲る

太陽黄経135度


 夕刻伍時半にやってきた雷雨は捌時まで続いた。間隔がない雷鳴に地割れが起こったかと錯覚する。近くの公園に避雷針が立っていることを思い出し、そのせいかとも想ったけれど実際のところはわからない。
 市内では道路が冠水したり川が氾濫したり停電したり落雷があったりしたそうだが、雷雨の最中玄関に出て外の様子を見たときには停電も冠水もなかった。

 今朝はツクツクボウシの声を初めて聞いた。新聞を拡げ今日が立秋だと知った。
 朝食も夕食も珈琲とヨーグルトで済ませたが、昼は拾割蕎麦を茹で買ってきたかき揚げをのせて食べた。蕎麦つゆもお代わりした。

 今年も秋物の服は買わなくていいかと想う。春になる頃にも同じようなことを口にしていた気がする。
 冬はしっかり季節を感じられるのに、春秋どころかあれほど好きだった夏もただ暑いとしか想えなくなってきている。自分には過酷とも想える此の環境を子ども達は超えていくのだろうな。ただそんな子らの姿も見えず声も聞こえてこないのだけれど。

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

夾竹桃



 原爆が投下されてから漆拾玖年経ったと云う。
 変わるものは壱秒にも満たずして変わり、変わらないものは佰年経っても変わらない。
 蟻の中にも怠け者がいて、必ず群れの中に働かない蟻が何匹が存在するそうだ。その働かない蟻たちを群れから外すとどうなるかと言うと、新たに働かない蟻が数匹現れる、と聞いている。
 生き物は弱く醜い。けれど、強く美しいのも生き物。
 或の湖の近くに咲いていた夾竹桃も、此の夏も満開になっているだろう。

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

愉しみ


 ライブのチケットの申し込みをする。先着順でなく抽選だと云う。当たれば最後に観たライブになるだろう。
 去年チケットを買ったものの行くことなかった夏のライブの模様が、DVDで発売されると知る。テレビ中継があり録画はしたが、未だに観ていない。
 死ぬまでライブに行くのだと想っていた。交通の便を恨めしく想う気持ちもあるが、ライブに行くことの高揚感さえ彼と過ごした穏やかな時間に敵わないらしい。
 愉しまなきゃ・・・、と彼の声が聞こえる。あたしにとりライブに行くことが壱番だと想っていたけれど、そうでなかったなら手放さなきゃならないのも仕方なく想える。
 これからまた愉しみをみつけに行こう。今のところ、彼におはようの挨拶をするのが壱番愉しいかな。
 (昨夜布団に入り意識が薄れていく途中耳元に咳払いが聞こえ、眠りを戻された。昨夜彼は隣で眠ったのだろうか。今朝訊ねるのを忘れてしまった。訊いても答はわかっているけれど。)

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

整理整頓


 栗皮色とでも言うのか黒みを帯びた茶の帽子を、以前からかぶり辛く感じてはいた。が、自分で編んだものだから多少は仕様がないと想っていた。色が気に入っていたこともあり、取り敢えず残す方の袋に詰めておいた。
 どうせならと想い改めて頭にかぶり、弐周り無くせばちょうど良くなるだろうかと絲をほどいた。ほどくのは簡単だったけれど、編み方をすっかり忘れていて編み図を見てもなかなか進まず、つばだけ全部編み直すだけなのでたいして時間は掛からないと想っていたことが大間違いだったとわかる。
 昼食後から夕食作りまでの午后の時間を全て使い、やっと完成した帽子は頭に合いかぶりやすくなったのが救いだった。

 編みながら彼に編んだ帽子のことを思い出す。あれは壱番よくできた彼の夏の帽子だった。スナフキンみたいにと言われ、緑の刺繍絲を買ってきて葉の形に編み帽子に飾り付けた。それをひと晩で無くして帰ってきたので、またか、と想いふくれてしまったが、がっかりしたのは自分以上に本人の方だったろうに・・・、などと想う。

 書架とロッカー箪笥を無くし部屋はすっきりしたが、胸の内はそんなふうにはいかない。物を無くす都度、自分の胸や頭に入っているから大丈夫と言い彼の前に座る。
 何年分もの出来事をあたしは今、壱日壱日整理整頓している。其の時間をとれてよかった。

拍手

      郵便箱

頁を戻る頁を捲る

収納図


 高さ佰漆拾捌センチの扉付きの収納棚は洋室の出入り口でつかえてしまった。入り口より伍ミリ高かったのは誤算だった。壱度横にし出入り口を抜け、次は玖拾度方向を変える。下には足拭き用にこしらえたバスタオルのマットを置き廊下を滑らせ和室まで運んだ。
 和室の出入り口にしても洋室と同じだった。見ると天板の角が少し剥げてしまっていて、マジックで補修した。マジックを塗ってしまえば傷が目立たなくなるのが黒い家具の利点だな、と想う。
 ロッカー箪笥を無くし空いた場所に収納棚を置き、予め籠に入れておいた物を中に入れた。これで洋室も和室も以前よりすっきりした。

 自分は、書物やレコード類は或る程度までしか処分できないだろう。それ以外の物を少しでも処分し、あとは工夫するしかない。
 扉付きの収納棚は伍段になっている。引っ越したら弐段はLPレコードを入れることが決まっている。父のように全て頭で整理できないので、棚ひとつひとつの収納図でも作ってみようかと考えている。

拍手

      郵便箱