表現
2024, Feb 24
朝、起きる。雨戸を開ける。天気を窺う。顔を洗う。着替える。布団をあげる。お湯を沸かす。新聞を取る。珈琲を淹れる。其の都度眼が動く。手がふれる。
暮らすことは、其れだけで表現に繋がる。夜更かししたり御飯を抜いたりぼうっとしてしまったりとズルもよくするけれど、そう想えば故意に誰かを傷付けたり誤魔化したり嘘を吐いたり得ばかり考えたりすることが嫌になる。
自分が自分を見る。自身の壱番の他者に、おはようと声を掛ける。笑ったねと笑う。悲しかったんだと想い抱きしめる。其のひとつひとつであたしが動く。彼を想うことも、死んでしまいたくなることも、歌を思い出すことも、花を買うことも、カエルの人形をつつくことも、昨日より今日がいとおしく過ぎていく。
小さな器の中身が時々あふれそうになり、あなたに見せたいなんて想っては胸をおさえる。結局誰にも話さないけれど、壱日の終わりに湯船に浸かってはだいじなものを扱うように、腕を、指を、洗う。