立冬
2024, Nov 08
最後のピーチティーを淹れ、棚から下ろした電気ストーブの前で冬を迎えた。
どこまであたしは来たのだろう。
治療で味覚がわからなくなった彼がココアの甘さは少しわかると言ったので、午后参時ココアを作るのが壱時日課になった。
去年はココアを買わずに壱度も作ることはなかった。此の冬はどうなるだろう。
彼が使っていたものをまだ棄てられずに、歯ブラシさえそのままに、引っ越しの荷造りをしている。
歯ブラシまで持っていく気はないものの、いろいろと思い出しては笑ったりして、其れが棄てるものだとなかなか気付かない。
毎日少しづつ進んでいると想ったり、立ち止まっていると感じたり、どちらでもないとひとりごちていたり。
夜、起きていられなくなった。捌時を過ぎたあたりから目を開けているのが辛くなった。
ひとつふたつ時を戻り、狼になった夢を見るのもいいかもしれない。