例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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燐寸


 頭痛や喘息の原因となる云々を使用しておらず、と記された燐寸を擦る。シュッと云う音と共に点る焔は哀愁を漂わせ美しささえ感じる。

 焔は人を魅了する。そのときそのときで焔を通し心の内に見えるものが違う。
 ひとときで燃え尽きる燐寸。其の長さがいい。浸り過ぎても感情過多になり、だいじなものが見えなくなってしまう。そんなことは極たまにでいい。

 高島野十郎の蝋燭の絵をもう壱度見られたらいいなと想い、正座などしてみる。
 焔は寄り添ってくれる人にも似ている。静謐な空気に包まれると、其処に烈しさを感じる。平和と同じことが言える。是まであたしはずっと守られてきた。其処に守る者がいてこその静謐さだった。

 焔を絶やさぬよう、そんなことを想っては燐寸を擦る。
 壱日弐回。捌佰肆拾本の大箱を手に壱年は持つなと計算すると、あなたは失敗が多いからとやさしい声が耳に入る。
 泣いた傍から燃え尽きる焔が愛おしい。

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