例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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梅雨


 降り続く雨に梅雨を想う。外は何処も彼処も濡れている。
 こんな日は、と思い切って書架の位置を変えてみる。台所と自室の間には壁がなく、腰の高さの間仕切りの中央に壱番高さのある書架を置き互いの目隠しにしていたが、ひとりの今は其の必要がない。
 中央を開けると全体がすっきりして見える。端に置いた書架と整理箪笥の側面に突っ張り棒を設置し、お気に入りだったたんぽぽの刺繍のカフェカーテンを下げると古い家具と乾燥花を置いた部屋に合うので笑う。
 彼が選んだベンチ付きの胡桃の卓に珈琲セットと墨色の敷物を合わせ、彼の部屋に置いていた引き戸式の黒い棚を隅に置き、ギターを飾り(ケースに入れたままだけれど)、男の子のような部屋を作っているつもりがずれてしまっている。母親のスペースはそれなりに上品で可愛らしくと想うものの、籐のチェストと鏡台を置いているくらいで大差ない。
 聞こえるのは雨の音。今はこれでいい。明日はまた変わるかもしれない。

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