白梅
2026, Jan 20
葉が萎れ実を落とすようになった南天を乾燥花にした後、藍色の花瓶に活ける花はみつからないままだった。いつもの店を覘くと水仙とねこやなぎを束ねたバケツの脇にひとつだけ白梅の枝が残っていた。ねこやなぎは余り元気があるように感じられず、白梅の枝を買って帰る。
紺色の花瓶に活けた蝋梅は、花を幾つか落したものの未だに萎れない。白梅も長く飾っていられるだろうか。
壱月も終わりになると隣町の梅林が気になり彼と出掛けた。白梅、紅梅、黄梅、八重咲に枝垂れ梅に、それから椿。
梅林も薔薇園も曼珠沙華の続く道も此処にはないのだけれど、脳裏に焼き付いたものは幾つでも何度でも壱度にあたしの前に現れる。鳥をみつければ其処へ、猫をみつければ其処へ。彼とあちこち動き廻っては笑う。そうして、梅の匂いがするね、と言っては立ち止まる。
花瓶に活けた梅からもあまく清々しい匂いがする。立ち止まってははぐれないように彼の後を追う。