檸檬
2025, Dec 01
其々の鍵で同じ扉を開ける
珈琲の匂いと流れる音楽
窓辺にはガジュマルの鉢植え
此処には森や海があふれている
弐足の靴に弐本の歯ブラシ
星の下には壱枚の毛布
疑いを口にしてしまったら
呆れた声で叱って
みずみずしくて酸っぱい傍らの光
きみが教えてくれた果実
きみが教えてくれたきみ
其々の鍵で同じ家に帰る
細い腕が水飛沫をつくる
汚れては荒い息をととのえる
悲しい日は昨日手折ってきた
野薔薇の実を捲いて
開けた窓の向こう雲が流れ
静かに語られる夢
なぐさめるよう遠くまで放られた檸檬
きみが見せてくれた果実
きみの持つまぶしい光