突風
2026, Jan 21
橋の中央に差し掛かったとき急に風が強くなった。歩くのが困難な風の強さに壱度しゃがみ考える。進むにも戻るにも同じ距離。躯を欄干と平行にし、欄干を摑みながら気をつけて進むことにした。
橋の長さを鑑みると時間にして伍、陸分だったろうか。渡りきるまでに風は弱まった。駆け抜けていきたかったけれど、また急に風が強まれば転んでしまうかもしれないと想うとできず、左右に脚を拡げ早足で橋を抜ける。
隣に掛かった車両用の橋ではひっきりなしに車が走っていく。ハンドルを取られないのだろうか。自分だったらハンドルを取られてしまうだろう。
バスに乗っても最悪のことを考えてしまうが、次からは違う路線のバスを利用し、橋の手前のバス停から乗ることにしようか。
病室に入るといつも通りの母がいて、白梅を寫した寫眞を見せると笑顔がこぼれた。束の間おだやかな時間。
風は夜になっても止むことなく、自分にしては遅い時間にココアを淹れて飲んだ。