水
2026, May 29
ポットに残った湯を冷まし、ボトルにあけ冷蔵庫に入れる。其れが寝る前の此の頃の日課。
冷たい水がなんとか飲めるようになってきた。水道の蛇口からコップに注いだ水と同じくらいおいしくなりつつある。
陸月になったなら、交換用の浄水カートリッジが届くだろう。前回と異なりそこまで心待ちにしていない自分に笑う。
水が喉を通り躯に落ちたと想える或の瞬間が好き。此の世の清らかなもの全て躯に入ったと勘違いするような瞬間さえ時折訪れるのがいい。熱くても冷たすぎても、瞬間は来てくれない。
蛇口の下に腕を伸ばし、取っ手をあげる。肘の辺りから指先まで流れ落ちた水に、生き返るなどと口にしてはふぅぅっと息を吐く。
そうしては海へ行きたいと言って濡れた手で足首をさわる。暗さに物の輪郭が曖昧になった夜の中で。