例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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柿染め


 熟してきた渋柿は果肉がやわらかく、口に合わないとわかった。近所の方から戴いた柿と一緒にし細かく刻み網に入れ鍋で煮ると、湯がオレンヂ色になった。こんなに鮮やかに色が出るなら或る程度染まるだろう、とまだ棄てるには惜しい夏の白いブラウスを壱枚煮汁に漬け込む。
 ブラウスはオレンヂでなく黄の色が付いた。黄色の洋服は着ないのだが、割烹着にするならカナリア色の黄も悪くない。玉葱の皮で染めカナリア色になったブラウスも割烹着にして着ていたことがある。

 ひと通り作業を済ませ暫く外に干し様子を見に行くと、ブラウスはまだらに染まっていた。
 壱年くらい寝かせてからとか漉してジャム状にしてとか柿染めの仕方に書いてあったが、網をあげ煮汁を落ち着かせてから上の方の煮汁だけ使えばよかったのだろう。玉葱の皮と異なり果肉が網から抜け、まだらに染まってしまったのだ。考えればわかりそうなものだが、自分は壱度失敗してからでないといいものをみつけられない。

 失敗しても愉しかったし、着ていて気に入らないと想ったら漂白してしまおう。
 続きの方が長い。

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