悦び
2025, Nov 15
だんだんと花開いていく菊。赤ばかりでなく白い花もみつかる。父の前に置いた花瓶を家に咲いた菊でいっぱいにする。其れは小さな悦び。
茎の下の方が駄目になってきたうす紫の小菊は庭の隅に挿すことにした。根付かなかったらそれまで。根付いたらケーキでも買ってきて祝うのだと想う。
嬉しいことは毎日いつつみつかるから、あたしは毎日伍度は口角をあげているのだろう。其れは毎日伍度泣くと云うことにもなっているのだろうけれど。
参箇所に置いた彼の寫眞。
泣かないと言う必要もなく、泣かないと口にしても辛くはなく、泣いても大丈夫なのは相手が寫眞だからでなく。
彼の物はもう何も増えることないと想っていた。此処に来てみつけた大きなすべり台のある公園に、土手に咲いた彼岸花の傍に、亀やうさぎのブロンズ像の向こうに、彼の姿を見る。一緒に洗濯物や布団を干したり亀たちの世話をしたり、新しくしたタオルやスリッパを一緒に使ったりもする。
其れはあたしの呼吸。小さな悦び。生きている日々。