初冬
2025, Dec 10
寒い朝、霧が出ているわけでもないのに今度はユーリ・ノルシュテインの映画を思い出し自転車を出したくなった。手袋をしていないと手がかじかむ。信号をふたつ先に進むと其処はもう町中ではなく、家はまばらで畑が拡がった景色。
町中と違い景色が白っぽく見える。畑や草むらに霜が下りているからだった。空には端が欠けた白い月。白のタートルネックに頬を埋める。吐息が白くなっているのかはわからない。眼鏡も白くなってきていたから。
白秋、玄冬、と言うが、自分には冬は白の印象が強い。
白い静物にできた陰影を壱時間でも弐時間でもみつめたり指でなぞったりしながらまた冬を過ごすのだと想うと、胸がやわらかなもので満ちてくる。此の冬も胸からしんしんとした音が聞こえてくるといい。