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  <updated>2017-09-08T12:26:06+09:00</updated>
  <author><name>新谷みふゆ</name></author>
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    <published>2026-10-01T18:21:22+09:00</published> 
    <updated>2026-10-01T18:21:22+09:00</updated> 
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    <title>軌跡</title>
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      <![CDATA[<br />
　棚の掃除をしていてふと思い出したが、すぐにみつけられなかった。無意識の内に其の嫌なものを封筒に入れ見えなくしてしまったらしい。其れをだいじなものが入っている封筒に移す。其れを手前に。そして、すぐにわかるように封筒は壱番左に置いた。<br />
　其れもあたしの軌跡。どんなに忌まわしいと想っても欠けては成立しない。無駄にはしない。]]> 
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    <published>2026-09-30T13:14:09+09:00</published> 
    <updated>2026-09-30T13:14:09+09:00</updated> 
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    <title>眠れないとき</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　寝不足が頂点に達したらしく、午前中にはもう起きていられなくなった。<br />
　いったいいつまで、と想うのはやめにしよう。頭の中はどうにもならない。<br />
　眠れないときは眠れない。事実のみ眼を向け、眠気が頂点に達したら昼間でも眠ってしまおう。其の後で、元に戻れないほどのものが存在していたことを想い過ごしていこう。]]> 
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            <name>新谷みふゆ</name>
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    <published>2026-09-29T12:44:33+09:00</published> 
    <updated>2026-09-29T12:44:33+09:00</updated> 
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    <title>ローゼル</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　去年も求めたと想いつつ、バケツの中から小菊の花束と一緒につぼみをつけた長い枝をまとめた花束を取る。<br />
　ローズティーは遠くなってしまった。けれど、ローゼルの枝は家の花瓶の中。ひとつづつつながりながら、ひとつづつ移りかわっていく。<br />
<br />
　部屋着は完成し、籠の中。襟の内側を残し格子柄の布は取ってしまった。襟もＶの形に替えた。<br />
　まるまった姿は櫻色した羊。抱いて眠ってもよさそうな。<br />
<br />
　小雨の降る音が耳に入る部屋で、うつらうつらと座椅子に沈んでいく。溶けてしまいそうな午后。]]> 
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            <name>新谷みふゆ</name>
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    <published>2026-09-28T15:49:17+09:00</published> 
    <updated>2026-09-28T15:49:17+09:00</updated> 
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    <title>箒と塵取り</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　外を掃除するのに使っている箒と塵取りはふた組。表と裏と掃除するのにふた組あると勝手がいい。傷みが激しく、買い換えなければと想っていると、今朝とうとう塵取りのひとつが使えなくなってしまった。<br />
　班で行う道路の清掃中、昨日の雨で泥が溜まっていたこともあり、重みに耐えきれずプラスチック制の塵取りはいとも簡単に真っ二つになった。<br />
<br />
　弐階で使っているスチール製の塵取りを外用のひとつにし、壱階で使っているプラスチック制の塵取りを弐階用にし、壱階用のを購入しようかと考える。どうせなら箒も一緒に購入しようか。<br />
　外で使うにも外用のシダの箒より屋内用の箒の方が使いやすいような気がし、これまで屋内用が古くなると外用にしてきた。外用と言っても下はコンクリート。大きな樹木もないので竹箒も要らない。<br />
<br />
　此処に越してくるとき購入した片手で持てる掃除機は、ひと月に壱度使うくらい。箒ばかり使ってしまう。棕櫚でこしらえてあるのがいいだろうか。<br />
　幼少の頃道の向こうに棕櫚の樹が何本もあった。其の大きな葉で父が箒をこしらえていたのを思い出す。想ったよりあたしは其の頃の暮らしが好きだったようで、結構真似していることに気付く。]]> 
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            <name>新谷みふゆ</name>
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    <published>2026-09-27T11:05:46+09:00</published> 
    <updated>2026-09-27T11:05:46+09:00</updated> 
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    <title>櫻色の羊</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　灰と櫻色の格子柄の布をみつけ、タオル地でこしらえている上着の前立てにする。襟の始末にも使ってみる。タオル地が余ったのでポケットにし上部の始末には此れも格子柄の布を使おうかと想う。<br />
　試しに羽織った感覚はフリースジャケットに似ていた。壱、弐度購入し着ていたことはあるが、洗濯機はいっぱいになるわ、羊毛風を保つには手入れが必要で、普段着には向かないと想ったが、タオル地なら手入れも要らず部屋着に丁度いいだろう。<br />
　それにしても自分が着るにはなんとも可愛らしいものになってしまい、母がいたらと想わずにはいられない。格子柄の布は襟の処だけにすれば、自分が着るでもおかしくないだろうか。<br />
　・・・いったいいつになれば仕上がるのか。このままにしてしまうには、軽さとあたたかさが気持ちいい。]]> 
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            <name>新谷みふゆ</name>
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    <published>2026-09-26T16:04:21+09:00</published> 
    <updated>2026-09-26T16:04:21+09:00</updated> 
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    <title>カラーボックス</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　窓際の暗さが気になり、カラーボックスを横にした。母の持っていたものも含め、家にあるカラーボックスはこれで全て横置きになった。上にいろいろ物を乗せても、横置きにした方がすっきりして見える。<br />
　思い出もあるので書架は棄てられないだろうが、物を高く積み上げて暮らすことはもうないだろう。<br />
<br />
　家らしく部屋らしくなっていく空間を、彼はどう想っているだろうか。<br />
　昨夜、人感センサーのライトがひとりでについた。赤いスリッパを買ったのかあ、なんて笑っているのだろうか。<br />
　彼の好きなＣＤも彼の弾いていたギターもさわれずにいるけれど、カラーボックスに腰掛けてギターの絃を換える彼を想像し、端をちょっと空けてみた。<br />
　空間のあちこちに小さな空間。顔つきまでそうして過ごしていこうか。]]> 
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            <name>新谷みふゆ</name>
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    <published>2026-09-25T10:15:28+09:00</published> 
    <updated>2026-09-25T10:15:28+09:00</updated> 
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    <title>冬用のスリッパとＬＥＤランタン</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　冬になると床を歩き廻るには裸足では冷たい。早くも手頃なものをみつけ想わず購入してしまった。<br />
　みつけたのは、リトルミイの刺繍がほどこされている赤いスリッパ。可愛らしいものは苦手と言いながら、リトルミイだけは別とばかりに常になにかしら家にある。一緒に懐中電灯にもなるＬＥＤランタンも購入したが、其処にもリトルミイが描かれている。<br />
<br />
　懐中電灯にもなるＬＥDランタンは、最初スイカのペンギンが描かれているものをみつけた。会員登録までしたけれど、クレジットカード決済か何処だったかのＰＡＹ払いしかなく諦めてしまった。<br />
　とても大きな懐中電灯か細く小さい懐中電灯しか家になく、手に合うものを欲しく想っていたが、リトルミイまでついてくるとは想わなかった。<br />
<br />
　はっきりものを述べるときの内容こそが肝心。リトルミイときたら、あたしの胸の汚れを落としてくれることばかり。<br />
　此の冬は少しはいい冬になるだろうか。]]> 
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    <published>2026-09-24T15:12:02+09:00</published> 
    <updated>2026-09-24T15:12:02+09:00</updated> 
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    <title>小雨の降る日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　診療は休みで院内の待合室は暗く誰も腰掛けていない。<br />
　バスを待つため入り口に置いてある椅子に腰掛けていると、面会にやってきたらしい人に声を掛けられる。雨が降ってきちゃったよ、と彼が言い、今日もですね、とあたしは応じる。<br />
<br />
　外の物干し竿に交互に掛けられる傘と雨合羽。窓掃除は暫くしていない。<br />
　夏前に挿し木にした紫陽花の脇に、小さな葉が出てきているのを見ては、雨も悪くないと笑う。<br />
<br />
　濡れるのは嫌いじゃあない。<br />
　麻のシャツもジーンズも黒なので、雨粒がすぐに模様を作る。濡れながら雨粒をのせた曼殊沙華に声を掛ける。同じだね。]]> 
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    <published>2026-09-23T10:20:48+09:00</published> 
    <updated>2026-09-23T10:20:48+09:00</updated> 
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    <title>作り直し</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　部屋着にも寝間着にもなるタオルでこしらえたワンピースは、着用の時期が難しい。夏用の寝間着にするには生地が厚過ぎた。ズボンに作り直そうか、長袖のＴシャツに作り直そうか、考えていたが、上着に作り直すことに決めた。<br />
　これからやってくる長い長い冬。羽織りものは幾つあっても困らない。洗濯しても壱日では乾かない冷えた季節。弐階に避難する日々を想う。<br />
<br />
　弐階ももう少し住みやすくした方がいいだろうな。冷えて指先がかじかむ前に作り直そう。<br />
　台所も未だに気になる箇所がある。いったいいつになれば落ち着くのか。壱年後弐年後参年後の未来を具体的に想像できずにいる。]]> 
    </content>
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    <published>2026-09-22T17:38:03+09:00</published> 
    <updated>2026-09-22T17:38:03+09:00</updated> 
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    <title>答はない</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
　雨が烈しい。<br />
　東側の国道から此処までゆるい下り坂になっている。けれど更に先に進むと土地が低くなっているようで、表通りも裏通りも水ははけてしまう。浸水はさほど心配していない。<br />
　問題は近くを流れる川で、あふれたなら弐階へあがればなんとか水嵩は凌げるだろうが、家ごと流されたならどうなるのだろう。それで終わりになるならそれでいいのだけれど、生き残ってしまったとき、彼に関するものと其れを書きとめた詩と、覚えた歌を失っていたら、生きていこうと想えるだろうか。]]> 
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