例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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雑感


 肆時間の睡眠がきつい。ぼんやりした頭に参月の終い頃降った雪が浮ぶと、何故か役者をしていたHARRYや甲斐バンドのライブへ行き席を探していた夢を思い出した。此の頃また夢を見るようになった。犬たちが人の頭(実は魔女)を喰いちぎるような夢は見ていないけれど愉しくない夢の方が多く、起きると汗で肩が冷たくなっていたりする。
 外へは参日に壱遍食料を買いに出ているものの、睡眠不足はただでさえ廻らない頭を余計廻らなくさせ日記を毎日つけられなくなってしまった。それでも映画は観ている。グリーンブックがよかったのに間違いはないけれど、マイ・ブックショップも心に残る作品だった。主人公が開いた書店は結局廃業させられしまう、が、書店を手伝っていた少女に主人公の意思が継がれていたことが判るところで映画は終わる。映画の中で、華氏451度、紙が燃える温度、書物が禁じられた世界を描いたブラッドベリの本が出てくる。其れで意図があたしにもわかった。
 世の中が変わる好機だと此の頃耳にするようになったけれど、果たして。チョコレイトが苦い。マイ・ブックショップを観たあとで、弐箇月掛かったカーディガンと拾日でできたセーターを並べて眺めた。希望や出口がないと人は生きていけないと言うけれど、此れまで手にしたものを並べ自身の意思を確認し生きていくこと自体があたしには其れなのではと想ったりする。
 それでもしないと決めたことだけは守る生き方をしようと此の拾年してきたあたしに、睡眠を除けば今の生活は決して辛くない。耳に入るいろいろなことがただただ悲しい。
 家族に渡された勤務表は今月も終了時間が廿壱時までとなっている。たぶん賃金の方は此れまでと変わらないだろう。実質給料が減ったと云うことは会社側の儲けが増えたことであり今の事態においても株を云々と云うことだろうかなどと探ってしまう。
 こんなときだからこそ、こんなときにも、どんなときにも、と言葉を並べ舌先で転がし誰かを想いあたしは変わらず怒ったり嘆いたり嬉しくなったり泣いたりしている。近くても遠くても人の温度が消えることはない。

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