例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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躯の揺れ


 夜中毛布にくるまっていると躯が揺れて目を覚ました。最初は地震だと想っていた。とても小さな揺れだけれど随分長いと想い躯を起こしたものの揺れは一向に治まらなかった。それで或の震災後の自分を思い出すこととなった。震災後暫くは流しの前に立つと時々躯が揺れる感覚があった。あれと同じだ。知らないうちに自分の内で何か生んでしまったのかもしれない。
 先日国産のオレンヂを食べたところ珍しく唇にひりひりとした感覚が起こった。子供の頃から金柑を食べると必ずそうなる。たまにメロンでもそうなる。パイナップルを食べたときもそうなったけれど、もともとパイナップルは好きでないので以来口にするのをやめている。オレンヂもたまにそうなることがあるけれど、(好きなので)食べる回数の多さからしたら滅多にないことなので、ちょっと首を傾げた。
 子供の頃は言葉を繋ぎ合わせることがうまくいかず、他の要因とも重なり感情を表すことができなかった。、いろいろなことをそのままにするしかなく、他人には当たり前でないことが自分には何でもないことになっていった。其の頃からしたら随分言葉を繋ぐことを覚え自分の感情もわかるようになったけれど、外に出すことは特にしないままでいる。久し振りの躯が揺れる感覚にはひと時焦ったものの、少し経てばまたなんでもなく過ごせるようになるだろう。

 伍月になりJOY-POPSのGET OUT OF MY MINDと甲斐バンドの嵐の季節を繰り返し聴いている。どんなときにも聴ける歌とアーティストが自分の内に存在する。其れを他の言葉で表すなら、壱番近いのが「無に近付いていく」かもしれない。癒しとも慰みとも異なる。自分の内側から自分を撫でてくれるものをどう呼ぶかそのうちわかるようになるのだろうか。自分の置かれた状況と歌詞とに必ずしも類似点は必要ない。心に入り込んだものは邪魔にならず気に障らず、肩に手を置いてくれる。
 肆時半の台所はすっかり明るくなり、今朝は流しに立ち気が付くとGET OUT OF MY MIND・・・とうたっていた。
 実家に帰れなくなっているので母が御世話になっているデイサービス所へ手紙を送った。そろそろ届く頃だろうか。嗚呼、あれとあれとあれも・・・と誰しもと同じようにあたしの頭も今はいっぱいになっているようだ。

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